密教の世界観
即身成仏儀の中に、「六大能生」と出てきます。これは、六大(地、水、火、風、空、識)から世界は生じているという意味です。一神教世界と決定的ちがうところは、六大がこの世界を「創造する」のではなく、この世界は「自然発生的に生じる」としているところです。
世界は六大から生じており、悟りの世界も特別なものから構成されているわけではありません。つまり、悟りの世界はどこか別のところにあるわけではなく、この世界と同じであるということです。
密教に詳しい方は三種世間を想像されるかと思います。三種世間とは
衆生世間:有情(感情や意識のある生き物)の世界
器世間:山河・大地・草木など有情を受け入れるうつわと考えらえている世界
智正覚世間:仏の世界。
のことです。「器世間はともかくとして、衆生世間と智正覚世間は別ではないのか」と疑問におもわれるかもしれません。これは衆生世間も智正覚世間も視点(有情の視点と仏の視点)が違うためで、同じ世界であると考えられています。
誤りなどがあればコメントいただけると幸いです。
仏教をもっと詳しく知りたい方には下記の本をおすすめさせていただきます。