写経

 一般的に写経するお経といえば、般若波羅蜜多心経(般若心経)を指します。僅か300字足らずの本文に大乗仏教の心髄が説かれているとされるありがたい経典です。

 写経するとき一番大事なことは何かとよく聞かれます。様々な作法もありますが一番大事なことは一字一字を心を込めて書くことです。昔の人は、一字書くごとに一度般若心経を読誦したともいわれています。写経するときはぜひとも一字一字に心を込めて書くことを心掛けてください。

 

仏教に興味のある方はこちらもぜひ一度お読みください。

密教の世界観

 即身成仏儀の中に、「六大能生」と出てきます。これは、六大(地、水、火、風、空、識)から世界は生じているという意味です。一神教世界と決定的ちがうところは、六大がこの世界を「創造する」のではなく、この世界は「自然発生的に生じる」としているところです。

 世界は六大から生じており、悟りの世界も特別なものから構成されているわけではありません。つまり、悟りの世界はどこか別のところにあるわけではなく、この世界と同じであるということです。

 密教に詳しい方は三種世間を想像されるかと思います。三種世間とは

 

衆生世間:有情(感情や意識のある生き物)の世界

器世間:山河・大地・草木など有情を受け入れるうつわと考えらえている世界

智正覚世間:仏の世界。

 

のことです。「器世間はともかくとして、衆生世間と智正覚世間は別ではないのか」と疑問におもわれるかもしれません。これは衆生世間も智正覚世間も視点(有情の視点と仏の視点)が違うためで、同じ世界であると考えられています。

 

誤りなどがあればコメントいただけると幸いです。

 

仏教をもっと詳しく知りたい方には下記の本をおすすめさせていただきます。

線香

 よく仏壇などにお供えする線香、棒状のものが一般的ですが、もともとは粉末状のお香でこれに火をつけていました。しかし時代が経って、この粉末状のお香を練り固め棒状にして私たちがよく知る線香が生まれました。

ãç·é¦ãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ

 

 この線香は常に一定の速さで燃えていきます。そのため、私たちも線香のように日々たゆまず努力(精進)していこうとも教えられています。

盤古

 盤古(ばんこ)とは、天地を創造したとされる中国神話にでてくる神様。伝えられるところによると「天地が渾沌として鶏の卵のようであったとき、盤古はその中に生まれた。その後天と地が分かれ、軽くて透き通っているものが登っていって天になり、重くて濁っているものが沈んでいって地になった。盤古の体はそのなかで一日に九回も大きな変化が生じ、天や地よりも神聖になった。天は一日に一丈ずつ高くなり、地は一日に一丈ずつ厚くなり、盤古も一日に一丈ずつ背が高くなり、こうして一万八千年たった。天はますます高くなり、地はますます厚くなり、盤古はますます大きくなった。」とあります。
 またほかにも「この世にはじめて生まれた盤古が臨終を迎えたとき、その全身に大きな変化が生じ、口から吐き出す息が風と雲、発する声が雷鳴、左目が太陽、右目が月、四肢と五体が大地の四極と五岳 、血液が河川、筋と血管が道路、筋肉が田畑、毛髪と髭鬚が天上の星、皮膚と産毛が草花や樹木、歯と骨が金と石、心髄が珠玉、汗が雨や露になり、身中の様々な虫が風に感応し庶民に化した」とあります。
 
盤古神話は中国のほぼ全土に広がっており,中国文化圏に生活する各民族の共通的な神話,伝説,信仰となっています 。

三蔵法師

 西遊記などに登場する三蔵法師。この三蔵法師とは三蔵に通じた僧に対する尊称のことです。ではこの三蔵とはどういう意味なのでしょうか。それについて解説していきます。

 

 三蔵とは経・律・論のことです。この三つについて詳しく解説していきます。

・経:仏の教えを記した経典のこと。sutraの音写で修多羅とも。

・律:仏教教団の生活規則。規律。法律に近い。

・論:教義を検討したもの。教義綱要書。教義を論述した文献。アビダルマ。

 

 部派仏教のうち有力な部派は、それぞれ独自の三蔵を持っていたらしく、現在完全にそれを伝承しているのはスリランカ上座部のみとのことです。

 

仏教についてより詳しく知りたい方には下記の本をおすすめします。高価ですが買っておいて絶対に後悔しません。

火神信仰

 沖縄県で現在まで続いている信仰の一つに「火神(ヒヌカン)信仰」というものがあり、現在では一般家庭の台所に祀られているのを見ることが出来ます。琉球(沖縄県)では明治頃まで囲炉裏が使われており、不絶火の風習が存在していたため、ここから火神信仰が始まったと考えられています。

 

この火神の特徴を簡単に説明させていただきます。

 十二月二十四日に火神は昇天して、一年中にその家で起こった事件を記帳して置いて天帝に報告し、正月四日にその報告に対する報酬をもたらして降神するものと信じられています。これは道教庚申信仰と似ています。

 

 出産の行事に産褥の期間、産婦が産室で焚火にあたるものが存在します。この行事は夏場にも行われていたため、火神に由来しているといえるでしょう。

 

 火神を通じてオボツカグラとニライカナイに降雨祈願をしていた記録もあります。祈願者の願意を火神はニライカナイとオボツカグラへお通しする仲介者の役割を担っています 

 

火神は女性神ともいわれています。また、竈神が三宝荒神と同一視されることもあり、火神も三宝荒神と習合した可能性も考えらます。

 

 

 

 

斗母元君

 摩利支天の記事で出てきた斗母について簡単にご説明させていただきます。

 

f:id:mikkyo:20190220105227p:plain

斗母元君 岡山寿天宮

 斗母(斗姥)は道教の女神であり、日月星辰をおさめ、北斗七星の母とされている道教の女神。北斗星君と同じく、人間の運命を左右し、寿命を管理する神。仏教の影響を強く受けており、衆生に難があったときは、一切の難を西天摩利支天大聖となって救うということから、摩利支天の変身とも言われています。その像容は三目四面八臂であり、日と月を持つ作例が多く見受けられます。天上の修羅が戦いを交える日、世間が劫火におおわれたとき、四頭に応化し、神通あらわし、八臂に雄をたれ道力を施すともいわれています。