密教の世界観
即身成仏儀の中に、「六大能生」と出てきます。これは、六大(地、水、火、風、空、識)から世界は生じているという意味です。一神教世界と決定的ちがうところは、六大がこの世界を「創造する」のではなく、この世界は「自然発生的に生じる」としているところです。
世界は六大から生じており、悟りの世界も特別なものから構成されているわけではありません。つまり、悟りの世界はどこか別のところにあるわけではなく、この世界と同じであるということです。
密教に詳しい方は三種世間を想像されるかと思います。三種世間とは
衆生世間:有情(感情や意識のある生き物)の世界
器世間:山河・大地・草木など有情を受け入れるうつわと考えらえている世界
智正覚世間:仏の世界。
のことです。「器世間はともかくとして、衆生世間と智正覚世間は別ではないのか」と疑問におもわれるかもしれません。これは衆生世間も智正覚世間も視点(有情の視点と仏の視点)が違うためで、同じ世界であると考えられています。
誤りなどがあればコメントいただけると幸いです。
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線香
よく仏壇などにお供えする線香、棒状のものが一般的ですが、もともとは粉末状のお香でこれに火をつけていました。しかし時代が経って、この粉末状のお香を練り固め棒状にして私たちがよく知る線香が生まれました。
この線香は常に一定の速さで燃えていきます。そのため、私たちも線香のように日々たゆまず努力(精進)していこうとも教えられています。
盤古
盤古(ばんこ)とは、天地を創造したとされる中国神話にでてくる神様。伝えられるところによると「天地が渾沌として鶏の卵のようであったとき、盤古はその中に生まれた。その後天と地が分かれ、軽くて透き通っているものが登っていって天になり、重くて濁っているものが沈んでいって地になった。盤古の体はそのなかで一日に九回も大きな変化が生じ、天や地よりも神聖になった。天は一日に一丈ずつ高くなり、地は一日に一丈ずつ厚くなり、盤古も一日に一丈ずつ背が高くなり、こうして一万八千年たった。天はますます高くなり、地はますます厚くなり、盤古はますます大きくなった。」とあります。
またほかにも「この世にはじめて生まれた盤古が臨終を迎えたとき、その全身に大きな変化が生じ、口から吐き出す息が風と雲、発する声が雷鳴、左目が太陽、右目が月、四肢と五体が大地の四極と五岳 、血液が河川、筋と血管が道路、筋肉が田畑、毛髪と髭鬚が天上の星、皮膚と産毛が草花や樹木、歯と骨が金と石、心髄が珠玉、汗が雨や露になり、身中の様々な虫が風に感応し庶民に化した」とあります。
盤古神話は中国のほぼ全土に広がっており,中国文化圏に生活する各民族の共通的な神話,伝説,信仰となっています 。
三蔵法師
西遊記などに登場する三蔵法師。この三蔵法師とは三蔵に通じた僧に対する尊称のことです。ではこの三蔵とはどういう意味なのでしょうか。それについて解説していきます。
三蔵とは経・律・論のことです。この三つについて詳しく解説していきます。
・経:仏の教えを記した経典のこと。sutraの音写で修多羅とも。
・律:仏教教団の生活規則。規律。法律に近い。
・論:教義を検討したもの。教義綱要書。教義を論述した文献。アビダルマ。
部派仏教のうち有力な部派は、それぞれ独自の三蔵を持っていたらしく、現在完全にそれを伝承しているのはスリランカの上座部のみとのことです。
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火神信仰
沖縄県で現在まで続いている信仰の一つに「火神(ヒヌカン)信仰」というものがあり、現在では一般家庭の台所に祀られているのを見ることが出来ます。琉球(沖縄県)では明治頃まで囲炉裏が使われており、不絶火の風習が存在していたため、ここから火神信仰が始まったと考えられています。
この火神の特徴を簡単に説明させていただきます。
十二月二十四日に火神は昇天して、一年中にその家で起こった事件を記帳して置いて天帝に報告し、正月四日にその報告に対する報酬をもたらして降神するものと信じられています。これは道教の庚申信仰と似ています。
出産の行事に産褥の期間、産婦が産室で焚火にあたるものが存在します。この行事は夏場にも行われていたため、火神に由来しているといえるでしょう。
火神を通じてオボツカグラとニライカナイに降雨祈願をしていた記録もあります。祈願者の願意を火神はニライカナイとオボツカグラへお通しする仲介者の役割を担っています 。
火神は女性神ともいわれています。また、竈神が三宝荒神と同一視されることもあり、火神も三宝荒神と習合した可能性も考えらます。