火神信仰

 沖縄県で現在まで続いている信仰の一つに「火神(ヒヌカン)信仰」というものがあり、現在では一般家庭の台所に祀られているのを見ることが出来ます。琉球(沖縄県)では明治頃まで囲炉裏が使われており、不絶火の風習が存在していたため、ここから火神信仰が始まったと考えられています。

 

この火神の特徴を簡単に説明させていただきます。

 十二月二十四日に火神は昇天して、一年中にその家で起こった事件を記帳して置いて天帝に報告し、正月四日にその報告に対する報酬をもたらして降神するものと信じられています。これは道教庚申信仰と似ています。

 

 出産の行事に産褥の期間、産婦が産室で焚火にあたるものが存在します。この行事は夏場にも行われていたため、火神に由来しているといえるでしょう。

 

 火神を通じてオボツカグラとニライカナイに降雨祈願をしていた記録もあります。祈願者の願意を火神はニライカナイとオボツカグラへお通しする仲介者の役割を担っています 

 

火神は女性神ともいわれています。また、竈神が三宝荒神と同一視されることもあり、火神も三宝荒神と習合した可能性も考えらます。